読者本位+作者本位を両立するカクヨムランキングのゴールデンソリューション試論
内輪のノリが過ぎてはいませんか?
はじましての方ははじめまして。
私は一応小説投稿サイト・カクヨムというところでサイトオープンの頃からおりますいち利用者です。
私自身そこそこ投稿させていただいてるわけですが……投稿された作品を読んでくださる、いわゆる『読み専』さん主導でサイトが盛り上がっていくのが理想だよなあ……と常々思っており、以前そのようなこともカクヨム上で申し上げたことがあります。
ですが……サイトオープンから2年が経ったのですかね?
作者さんの割合が高く、作品を評価するのも作者さん主体になってしまっている――という現状はかなり初期から今も変わることがないように見えて、それがとても気がかりです。
作品につけられるレビューや応援コメントを寄せている人をたどってみたら実は作者さんばかりだった――
みたいな図が、おそらくカクヨムというサイトを開いた時読者さんが目にする光景だと思うんです。
そういう、ある種の「内輪ノリ」で固まったレビューやコメント群を見て、読者さんはどうお感じになるでしょう?
きっと、「なんだここ?」と呆気にとられるのではないかと思うんです。
いやいやそんなことないよ、作者の評価だって純粋な評価じゃないか、とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。
かくいう私だって多くの人にレビューや評価をつけましたし、作者さんが作品を評価することを否定したいわけではありません。作者さんが送った評価も、それはそれでとても貴重だし、本物であるとは思います。
しかし、客観的にサイトを見た時、まったくカクヨムというものを知らない人はどう感じるのか? という観点から見たらどうでしょうか?
新参者に近寄りがたい雰囲気を醸し出してはいないでしょうか?
この作品すごく☆がついてるな。レビューの数もすごい。そんなにすごい作品なのか。と思ってなんとなくレビューを追ってみると……あれっ、この人どこかで見た名前。
気になってその人とランキングを照らし合わせると……
特定の作品が作者さんたちによる評価で固められ、上位を占めている。
このような現状を見た時、読者さんからしたら作者の思惑でランキングが作られているように映るのではないですか?
読者さん、読み専さんたちの評価がないがしろにされている――というように、読者さんたちは考えてしまうのではないでしょうか?
特に若い読者さんから、じゃあもう評価なんてしなくてもいいや面倒くさい、というように読者さんからはさじを投げられているのではないでしょうか?
これは私の持論なんで反論もあろうかと思いますが……
若い世代はそもそも人口が少ない。
だから最初から上の世代に数の上で勝てないんです。
自分たちがどんなに上にいきたくても、上の世代に少しでも徒党を組まれてしまうと負けてしまう。
大人たちと混ざる課金がものをいうゲームでは最初から上位に行くことすらできず、諦めなければいけない。という挫折感を最初から植え付けられている。現在可視化されていないだけで、そのように感じている子達は多いのではないか、と見ています。
たかだか小説投稿サイトにそのような社会の縮図を見せつけられたくはないでしょう。もっと作品世界みたいに、夢に浸りたいでしょう。
俺たちの応援が、ブームを動かしているんだ! という成功体験を与えないと――希望と成果とを直結させないといけないんです。
なぜ作者さんたちは「読み合い」という名の「馴れ合い」に走ってしまうのか
作品に積極的に評価をするのは読者よりも、実は作者さんなのです。
なぜかといえば、ほかの人の作品を評価することで自分の作品にも「お返し」の評価をもらえるかもしれない、という期待があるからです。
作品を評価されたい! ☆をもらいたい!
だからほかの人の作品もたくさん読んでたくさん評価しないといけない!
――という転倒した状況が起きている。そのように感じているのは、果たして私だけでしょうか?
それは読者さんのことを見ているといえるのでしょうか?
それとも、私がおかしいのでしょうか?
本来は読みたい作品だけを読めばいいのであり、何も読みたくない作品まで無理して読む必要はないんです。「読み合い」なんてするより「これを読みたい!」と自然と思わせるようにしないといけないんですよ。
にもかかわらず、です。
カクヨムさんのランキングおよびコンテストは、読みたいと思わせる作品の力よりも、仲間内で読み合い評価すればそれだけで易易と読者選考を通過できてしまいかねない――というコミュ力がものをいう世界に堕してはいませんか?
……このように書くと、おそらく作者さん方からはご評価をいただけなくなるでしょう。フォローも外されるかもしれません。ハブにされるかもしれません。でも、誰かが書かないとダメでしょう。
長い目で見たら、今の状態はサイトのためではないと思うんです。
当然私も作者ですし、読まれたい!という本音はあります。
ただ、もう個人の思惑でどうこう言う状況ではないと思うんですよ。
だから我々作者と読者さんどうしが両方幸せになる方法を、どうにかして考え出さないといけない時期に差し掛かっているのではないかと思うんです。
私がエラそうに言えることではないとは百も承知ではありますが……
みなさんどうか、もっと外に目を向けて下さい。
小説とあまり接点をもたぬ完全な外部からどう見られているか?
そりゃあ私だって100万円欲しかったですよ。
ですが、どうか今一度、振り返ってみて下さい。
出版社さんの評判を我々利用者自ら落としているのではないか?
それが巡り巡って、仮に自分たちが書籍化した時非常に売り出しづらくなりはしないか? ということを。
このカクヨムさんとKADOKAWAさんを一度きりの踏み台にするつもりならばそのような態度を取るのもわかりますが……
KADOKAWAさんは日本有数の巨大出版社であり、KADOKAWAさんの評判がそのまま出版業界全体の評判に直結するのです。
我々投稿者のモラルが出版業界の評価にそのまま跳ね返り、出版業界そのものの衰退につながってしまう――と、少し考えれば自明のことが、あまり顧みられていないような気がしてならないのです。
読者さんが評価しやすい土壌を作るために
そこで運営さんへ私からの提案なのですが……
小説などを一切投稿していない『読み専』さんからの評価と、作者さんからの評価をわかりやすく分割して表示してみませんか?
そうすれば読者さんからの評価がよりダイレクトにわかりやすく出ると思うんです。読者さんも評価してみよう、というやる気が出やすくなると思うんです。
そしてレビューも、作者さんからのおすすめ、推薦――名前はなんでもいいですが、作者さんのレビューと読者さんのレビューを分割して表示してみてはいかがでしょうか?
本来はサイト全体で見て作者さんの評価のほうが多いなんてのは異常な状態、恥ずかしい状態なのだと思わなくてはならない。
なぜなら、本来ならば読者さんの評価よりも、作品の評判も上乗せできる作者さんの評価が力を持つのは当然だからです。
作者さんたちの評価だけで多くを占めることで、作品を将来買ってくれるかもしれない読者さんたちの評価を阻害することは避けねばならないはず。
とはいえ現状作者さんがたくさん評価するような流れはもはや止めようがないと思うので、それならばもういっそ別枠にしてわかりやすくしてしまえばいいのではないか――という思いつきです。
『読み専』さんたちが書き手になった時に、過去に読み専として評価したものはどのように扱うべきか?
作者と書き手をいたずらに分断する処置ではないか?
そもそもシステム管理が煩雑になるだけで意味がない、など色々な反論が考えられるでしょう。
これは単に運営などについて完全に無知ないち利用者が思いつきで提案しているにすぎないので、これが完璧だとは思っておりません。
ただ、議論のたたき台にはなるのではないでしょうか。
カクヨムさんが人口を増やすには、アクセスする読者さん方が満足する内容がランキングに打ち上げられやすい土壌を整備していくことが重要なのではないかと思います。
さいわい作者にとってはとても利用しやすいサイトなので、読者さんたちにとっても利用しやすいようなサイトになっていっていくといいなあ……という思いとともに、この愚痴のような更新を終えたいと思います。
以上……誰も見てはいないと思いますが、長々とした愚痴すみませんでした。
また、ランキング問題を考えるにあたり
こちらの『読み専』さんのご意見や
こちらの方のご意見などが、当更新をするきっかけを契機となりました。
カクヨムさんに限らず、利用者投稿型サイトのコンテンツが正しく評価されるためにどうしたらいいのか、というものをしっかり考えていかないといけないのではないか、と思います。